祖父遺品整理の際、「歴史」について考えたこと

遺品整理に関して記述します

祖父が海軍航空隊操縦士だった頃の「他部隊隊員」の遺品について。遺品整理の中の「見知らぬ方」の短剣

祖父遺品整理の際、「歴史」について考えたこと

15年前、祖父が亡くなった。

同じような仕事をしているということもあり、長男の子でもない私が遺品整理の担当となった。

祖父は海軍兵学校出身であり、私が子どもの頃は、海軍の話、飛行機の話しをよく聞いたものであったが、「他部隊隊員の遺品については聞いたことがなかった。

祖父の遺品は、元海軍士官の躾どおり、すべてがコンパクトかつわかりやすく整頓されており、遺品整理そのものは簡単であった。

ただ、その中に、鍵がかかった小さな行李があった。

身内の誰に聞いてもそれがあることすら知らなかった。

仕方なく鍵を壊し、中を見てみると、油紙と白絹(変色して茶色だが)にくるまれた「短剣」が出てきた。

一振りは祖父のもの、もう一振りは「全く知らない方」のものであった。

海軍兵学校の同期生名簿にも名前が無く、葬儀にきて頂いた海軍関係者の方も聞いたことがないとのこと。

困ったあげく、祖父の所属していた航空隊名簿を国立図書館で調べた。

その短剣の持ち主がわかった。

「遺族」も神奈川県内にご存命ということもわかった。

早速、連絡を取ったところ、快くお会いすることを承知いただいた。

話しはこうであった。

その方は「特攻隊員」、祖父はその特攻部隊の直衛隊の指揮官であった。

その方の遺書によると、短剣は、航空隊の大尉に遺品としてお送りした。

本当にお世話になった方だとあった。

これが祖父のことであった。

九州鹿屋基地から沖縄に向かう2日前に渡されたものだそうである。

私はお返ししようと思ったが、遺族の方が「祖父のご霊前に」と受け取られなかった。

祖父が唯一話しをしなかった特攻隊員との交流、遺品を預かったこと。

祖父はその方に遅れること約50年後に他界した。

遺品一つ一つにも歴史や、気持ちがこもっているのだと改めて感じた次第である。